【トリッキーな中山競馬場が消える??】建て替え案が再浮上しているワケとは!!
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2026.01.11
なぜ今、建て替えの議論が再燃しているのか
中山競馬場建て替え案を巡る議論が、 2026年に入ってから再び熱を帯びている。JRA( 日本中央競馬会)の施設整備計画の中で、中山競馬場は長年、 ファンや関係者から「そろそろ大規模改修が必要だ」 との声が上がっていたが、最近の西川会長(中山馬主協会会長) の発言がきっかけで、X(旧Twitter) 上でも活発な議論が展開されている。 現在のスタンドが完成してから35年が経過し、 所々で老朽化が進んでいるのは事実だ。 2026年度のJRA事業計画では、 新営施設費として603億円が計上されており、 ウインズ渋谷の改築をはじめとする場外馬券発売所の整備やトレー ニングセンターの厩舎改築が挙げられているが、 中山競馬場本体の大規模リニューアルについても、関係者間では「 避けて通れない課題」として認識されているようだ。 この記事では、そんな中山競馬場の建て替え案を詳しく掘り下げ、 背景から具体的な提案、賛否両論、 潜在的な影響までを長い目線で考察してみたい。 競馬ファンとして、個人的な意見も交えつつ、 冷静に整理していこう。
中山競馬場の現状と歴史的背景
まず、中山競馬場の現状を振り返ってみる。 中山競馬場は1928年に開場した歴史ある施設で、 JRAの主要競馬場の一つだ。特に、 有馬記念や中山大障害などの大レースが開催されることで知られ、 年末の風物詩として多くのファンを魅了してきた。 現在のスタンドは1990年に完成したもので、 当時は最先端のデザインだったが、 35年という歳月は決して短くない。屋根の劣化、座席の老朽化、 トイレや飲食スペースの狭さなどが指摘されており、 ファンからは「快適さが足りない」「雨の日の観戦が辛い」 といった不満の声が聞かれる。また、 周辺の交通アクセスも課題で、 船橋市と市川市にまたがる立地ゆえに、 道路渋滞が慢性化している。 県道が競馬場を分断する形で走っているため、 敷地の有効活用が難しいという構造的な問題もある。 JRAの2026年度事業計画では、 全体として施設整備に注力する方針が示されているが、 中山については具体的な予算配分が明らかになっていない。ただ、 過去の事例を見ると、京都競馬場のリニューアル工事のように、 数年単位の大規模プロジェクトになる可能性が高い。 京都は2020年から3年近く閉鎖して全面改修し、 2023年に再開したが、中山も同様の道を辿るかもしれない。
アリーナ式複合施設への建て替え
そんな中、 注目を集めているのが中山馬主協会の西川会長の提案だ。 X上で馬主のぐりぐり君氏が投稿した内容がバズり、 数百件のリプライを集めているが、そこに記されているように、 西川会長は「 アリーナ式の複合施設を備えた未来型の競馬場に建て替える」 案を推している。具体的に言うと、 単なるスタンドの修繕ではなく、 競馬場を多目的アリーナとして再設計し、 非開催日にはコンサートやイベント、 ショッピング施設などを活用できるようにするものだ。 これにより、競馬以外の収益源を確保し、 JRAの財政基盤を強化するという狙いがある。実際、 JRAの売上は2024年度で2.9兆円を超えているが、 少子高齢化や娯楽の多様化で長期的に減少するリスクを抱えている 。複合施設化すれば、家族連れや若者を呼び込み、 競馬の裾野を広げられるというわけだ。たとえば、 海外の競馬場を見ると、 アメリカのチャーチルダウンズ競馬場はケンタッキーダービーの会 場として有名だが、周辺にホテルやレストランを併設し、 観光スポット化している。西川会長の案は、 そうしたグローバルスタンダードを参考にしているのかもしれない 。
コースレイアウトの大幅変更案
しかし、この案の目玉部分が物議を醸している。それは、 コースレイアウトの大幅変更だ。現在の中山競馬場は、 直線が短く(約310m)、 小回りで高低差のあるトリッキーなコースが特徴。 向正面が楕円形ではなく、坂の急勾配がレースのドラマを生む。 オグリキャップのラストランやイクイノックスの有馬記念勝利など 、名勝負の舞台としてファンに愛されている。西川会長の案では、 この「トリッキーさ」を廃止し、「 広くて長くて走りやすいコース」に変えるという。直線を延長し、 平坦化することで、馬の負担を減らし、 安全性を高める狙いがあるそうだ。たとえば、 東京競馬場のような長い直線(約525m)になれば、 スピード重視のレースが増え、 国際競走との親和性も上がるかもしれない。 凱旋門賞のような欧州のトリッキーコースで苦戦する日本馬にとっ て、 国内で多様なコースを経験させる意味でも有効だという意見もある 。Xの投稿では、「今のコースだからこそ、 騎手と馬の力が試される」「 王道で勝てない馬にチャンスが生まれるのが中山の魅力」 との擁護派が多いが、一方で「 老朽化した路盤を根本的に直すなら、コース改修は避けられない」 という現実論も見られる。あにまん掲示板のスレッドでも、「 建物改修だけで済むなら11ヶ月で収まるが、 馬場全体に手を入れるなら3年かかる」との指摘があり、 工事期間中の代替開催が課題になる。
賛成意見の詳細
賛成意見を詳しく見てみよう。まず、施設の近代化は必須だ。 2026年のJRA開催日程を見ても、 中山は年初の1月4日から中山金杯でスタートし、 12月27日の有馬記念で締めくくる重要なポジションにある。 スタンドが古いままでは、猛暑対策やバリアフリー化が進まず、 ファン離れを招く恐れがある。西川会長の複合施設案は、 競馬非開催日にイベントスペースとして活用可能で、 船橋市や市川市の地域活性化にも寄与する。たとえば、 県道を地下化(アンダーパス)して敷地を一体化すれば、 広大なスペースが生まれ、パドック周りの騒音問題( バイクの空吹かしがTV中継に入る) も解決できるというアイデアもある。Xのユーザーからは、「 新潟や中京のようにナイター開催を試験導入して、 夏競馬をブランド化すべき」「 屋根付きパドックや冷房エリアを優先的に」 との具体的な提案が寄せられている。また、経済面では、 JRAの収益を活用した段階的改修が可能で、 クラウドファンディングや企業協賛を募れば負担を軽減できる。 長期的に見て、 2026年以降の競馬番組で中山の開催日を増やせば、 売上アップにつながるはずだ。
反対意見の詳細
一方、反対意見も根強い。 特にコース変更に対する拒否反応が大きい。「 中山こそが有馬の魂だ」「 直線バカ長になったら誰でも勝てるつまらないレースになる」 との声がXで飛び交っている。実際、 1988年の春の大障害を東京で開催した前例はあるが、 有馬記念を東京に移すのはファンのアイデンティティを揺るがす。 土地不足の問題も深刻で、周囲が住宅地に囲まれているため、 拡張は現実的でない。掲示板では、「移転が前提になる」「 スタンドを県道を跨ぐ形で建て替えるしかない」 との意見が見られる。工事中の代替として、 東京競馬場で有馬を開催する案が出ているが、「 東京で有馬をやったら中山の価値がなくなる」「 3年閉鎖はJRA全体の売上に悪影響」との懸念もある。 ファン目線では、トリッキーコースが「挑戦者 vs 王道馬」のドラマを生むのが中山の醍醐味で、 廃止すれば競馬の多様性が失われる。 欧州の競馬場はほとんどトリッキーだし、 アメリカのダートコースも小回りが多い。 日本馬が凱旋門賞で勝てないのは、 こうした多様なコース経験が不足しているからこそ、 国内で守るべきだという論調だ。
今後の展望と筆者の考察
では、今後どうなるか。私の考察では、 完全なコース廃止は難しいと思う。西川会長の案はあくまで「 提案」で、馬主協会のHPを見ても「 コース形態はずっとあっていい」とのニュアンスがある。 現実的には、スタンド改修を優先し、コースは部分的に整備( 芝2400mやダ1600mの追加) で済ますハイブリッドアプローチが妥当だろう。 JRAの2026年度番組では、 阪神のスタンドリフレッシュ工事終了に伴い、 いくつかの重賞が元の開催場に戻るが、 中山についてはまだ具体化されていない。ファンとして望むのは、 伝統を守りつつ、快適さを向上させるリニューアルだ。たとえば、 ビジョンを増設し、オンライン観戦を強化したり、 家族向けイベントを増やしたり。最終的に、 JRAはファン投票やパブリックコメントを活用して決めるべきだ 。2026年は中山100周年目前の年。 建て替え案がどう転ぶか、注目していきたい。