【競馬コラム】なぜ競走馬は骨折で安楽死を選択しないといけないのか!

安楽死 競馬コラム

馬は、怪我などの理由で安楽死を決断しないといけない場面があります。

安楽死の選択に対して「骨折でなぜ死を選択するのか?」「馬の命を軽く見てないか?」と思っている人も多いと思います。

この記事では、「なぜ競走馬は骨折で安楽死を選択しないといけないのか?」をご紹介していきます。

それではみていきましょう。

安楽死「予後不良」とは? 殺処分の方法は?

安楽死

安楽死とは、延命治療による苦痛を引き延ばさず、薬で殺処分を行う方法です。

予後不良とは、故障による回復の見込みがない馬に対して、安楽死の処置を取らざるを得ない状態のことを指します。

安楽死の方法は、獣医師が薬の投与を行い、薬剤で心臓を止める方法がほとんどです。100年以上前の殺処分は、観客の目の前で銃殺が行われたこともあったようです。

骨折などの怪我で安楽死が決断される理由

安楽死

競馬の世界において、怪我=安楽死(予後不良)と連想してしまう方は少なくないと思います。

それもそのはず、馬は骨折などの怪我がきっかけで安楽死が決断されるケースが多くあります。

ですが、骨折などの怪我を治療で治せることもあり、「グラスワンダー」や「トウカイテイオー」など、故障から回復して復帰し、活躍した競走馬も存在します。

馬主や獣医師や調教師など命を軽く見ているとは思えません。
では、なぜ安楽死を決断しなければいけないのでしょうか?

それは、馬は立っていないと生きていけないからです。
人間目線で考えると骨折したところをギブスで固定して治療すれば良いと思いますが、馬の場合は違います。
馬は約500キロの体重を4本の細い足で支えており、1本の足が故障すると自重を3本で支えなくてはいけなくなるので、他の足も耐えきれず故障の連鎖を起こしてしまうのです。

ならば、「寝たきりにして治療すれば良いのではないか」と考えられますよね?

寝たきりの場合、怪我のため寝返りが打てないため、馬自身の体重に耐えきれず臓器を圧迫してしまいます。
馬は歩くことで心臓を動かす手助けをしており、4本の脚を使うことができないと血行不良をおこしてしまい死に繋がってしまう可能性があるのです。

なので「馬の治療費を削っている」「もう使えないから」「治療するのがめんどくさいから」と、競馬関係者の方々は決して命を軽く見ている訳ではなく、馬は苦痛を耐え続けさせないように、安楽死を選択しているのです。

ガラスの脚と呼ばれる馬の脚は、競走馬にとって命と同じくらい大切な部位なのです。

死んだ馬は食用になる?

安楽死

現代の競走馬が食用の馬肉になることはないと言われていますが、ひと昔前までは食用になっていた時代もありました。

有名な事件に「ハマノパレード事件」があります。

ハマノパレードとは、宝塚記念も制覇したことがある、1970年代に活躍した競走馬です。
この競走馬は、レース中に故障が発生し予後不良となり、殺処分が決定されたのですが、安楽死ではなく、屠殺場に送られ「さくら肉本日絞め400kg」の表記で市場に売られたというお話です。

この事件の真相は定かではないものの、新聞で大きく取り上げられたため、世間から非難を浴びた競馬事件になりました。

この事件がきっかけで現代の競馬で予後不良になった場合、薬物による安楽死の処置を行う、ルールができたといわれています。

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